今年の日本の梅雨は随分早いですね。スペインでは雨が降るべき時に降らず、予想しない時に雨が降るような感じがここ数年続いております。
5月だというのに寒い日が続いておりました。
ところで、2週間ほど前にカーム農園を訪問しておりました。
雨量が気になっていたのですが、オーナーの話ですと、今年の生育状態はまぁまぁ順調とのこと。
今のところ大丈夫なようです。
カーム農園は、スペインのウアルド農園とは違い、自然への依存比重が大変大きいので、本当に毎年天候が心配です。長年過酷な環境で生きてきたオリーブの木ばかりとはいえ、毎年気になって仕方がありません。カーム農園とも長いお付き合いなって来たので、自然とオリーブオイルの質が密接な関係にあることは、何より明らかなのです。
今日はどんな地質で、キンタ・ド・ビスパードやキンタ・ド・コア、キンタ・ダ・ウルゼが生きているかご紹介したいと思います。
ゴツゴツの岩場だということが分かると思います。
この岩は結晶片岩と呼ばれるもので、その中でも色々な種類がありますが、見るからにミネラルが豊富な岩だなぁ~と私は思います。建築資材としても活用される有効な岩ですが、ポルトガル北部のドウロ河上流は、この地質で構成されており、これが優れたぶどうやオリーブを産むのです。寒い冬でも、日中は日光でこの岩が暖められ、木の根っこはこの岩のお陰で守られるそうです。自然界は何もかも共存していますから、その微妙なエコシステムを守りながらの、カーム農園が実施しているようなオーガニック農業は、今後益々偉大なものになると思います。
このような過酷な環境にあるからこそ生まれるパワフルで強い生命力を持つ、独特のオリーブの木たち。
見ていて惚れ惚れするのは、やはりこの環境で生き延びているからでしょう。
chiho