前回に引き続きオリーブ農園リポートです。
2011年から2012年オリーブオイルと呼ばれる新しいオイルは、現在各地で収穫が実施されています。10月11月に収穫しているものは、プレミアムオイルと呼ばれる高級なものが多いのが特徴です。
今日は、パワジオ倶楽部のオリカテセンが栽培されている農園の様子をご紹介します。
写真のように、オリーブの実がグリーンからわらのような黄色がかった色に変わったらスタンバイOKだそうです。
ほとんどがアルベキーナ種。この品種は上品な香りが好まれ、スペイン中で栽培されていますが、集約栽培などが多く、ここレリダ産のものがオリジナルで最高級の評価がされます。アルベカという町に存在したので、アルベキーナという名前がついたと言われていますが、もともとはローマ時代にイタリアから運び込まれたものが現在の品種に発達したそうです。
こちらが農園の責任者アンヘル(偶然にも私のパートナーと同名です。早速仲良しになっていました)彼がオリーブの管理を全て実施しています。この地域のオリーブは、現在でもほとんど収穫をしていないところがたくさんあります。そのくらいオリーブ生産には手間がかかるのですが、ここでは収穫期にどこでも雇われている日雇いのスタッフが一人もいません。
なぜかというと、オリーブの収穫はハードでも簡単そうに見えるので、よく移民の人たちが参加するそうですが、木に与えるダメージが大きいらしいのです。アンダルシアなどは大農園なので、膨大な数の人力が必要ですが、この農園のようなオーガニックでこだわりの栽培をしているところは、頭を使って色々な工夫が実施されています。だからファミリーだけで収穫も出来るのだそうです。
収穫の際の改良1.
こんなアンブレラタイプのネットが、機械的にオリーブの木を囲います。ネットとステンレスのカゴが備え付けられているので、実が地面に落ちることはありません。
収穫が終わると、こんな風にまた自動でネットがたたまれ、次の木に簡単に移動できます。
収穫中はこんな感じで、ネットの中は結構スペースがあります。実はステンレスのカゴに落ちるようになっているので、とにかく一枝一枝のオリーブを集中してかき集めます。スペインでこの手法は、『お乳搾り]と呼ばれます。まるで牛のお乳を絞っているような作業なので。でも、ここでは特殊な道具を使うので、ちょっと進化しています。オーダーメードの特殊ツールが使われているのです。
このツールを使うと新芽も被害を受けないし、来年花が咲く部分もダメージを受けないそうです。そうは行ってもこちらのアンヘルさん、彼がOKを出さない限り他人には収穫をさせないそうですから、この農園の場合、誰でもできる作業ではないのです。
もちろん、私は許可をもらいトライしましたが、思ったよりも実が障害となり力が必要なので、木を半分も収穫しないうちに、相当腕が痛くなりました。『収穫に来てもいいけど、雇ってはあげないよ。(^。^)』と言われました。スタミナ不足ですぐに疲れるので、私には向かない作業でした。
やっぱりオリーブの収穫は男性的です。昔のように地面に落ちた実を、女性が拾い集めているような光景はもうここにはありません。男性のパワーで、大体1本(木の大きさにもよりますが)5分から10分で、綺麗に収穫してしまいます。
この写真のような、頑丈な腕が必要な作業でした。
次回は圧搾所の様子をお伝えします。
chiho