パワジオ倶楽部で販売しているオリーブオイルは、ほとんどがオーガニック(有機栽培)オリーブ農園で作られているオリーブオイルなので、私が訪問する農園は必然的にオーガニックの農園が多くなります。以前ポルトガルのオーガニック農園をご紹介しましたが、今日は前回に引き続きスペインのオリーブ農園です。
伝統あるオーガニック農園の特徴は、このオリーブとオリーブの木の間隔。贅沢にこんなに広いスペースが採られています。木と木の間に4,5mあるのが普通。これだけあればオリーブも生き生きとしています。栽培されている品種も、昔の人が適していると思った品種が土地に合わせて植えられているので、ここからここはアルベキーナ、ここから向こうはピクアルというような、単純な区分ではなく、色々な品種が不規則に混ぜて栽培されています。
今回は興味深い品種も発見しました。Arbleblancアルブレブランクというこの地域独特の品種で、とても品のある香りのオイルを生むそうです。樹皮が白っぽく、品種の名前も直訳すると白い木となります。オリーブは本当に無数の品種があり、各地を巡って知らない品種に巡り合うことは喜びとなります。いつかこの品種も日本に届けたいと思います。
この農園を訪問したのは4月も末。まさかまだ剪定をしているとは思わなかったのですが、やはり膨大な数のオリーブがあるスペイン。剪定しきれないところが多く、まだまだ各地で見かける光景です。日本の皆さんのオリーブは大丈夫ですか?農園など本格的な栽培がされているところでは、毎年剪定もしますが、強い剪定を4,5年に一時実施します。
そして、必ず私の興味を引くオリーブ農園は、オリーブとアーモンドが共存しています。地質や気候、標高とそれぞれの農園のある環境は違いますが、オリーブとアーモンドは最高のコンビのようです。
この写真の奥の方に白い筒が並んでいるのが見えると思いますが、こんな理想的な環境にオリーブの集約農業をしょうとしている人も少なくありません。その場合、ご紹介したようなオーガニックファーミングの古いオリーブは全部引き抜かれてしまいます。残念としてか言えませんが、このような農業も実際に存在し、農業が企業投資となると、こういう形になることが多く悲しくなります。勿論、農薬も使われてしまうので、今回訪問した場所は今後オーガニックとは言えない環境になってしまうと思います。どうしても農薬は周囲に散りますから、この近辺は農薬を使わなくても使ったような場所になってしまうのです。
今日はオーガニック栽培のひとつの現状をご紹介しました。
chiho