ひさびさにスペインからの書き込みです。
この冬スペインは記録的な雨量で、今も南部は洪水の被害で気の毒です。オリーブ農園のこともちょっと心配なこの頃です。
今までにもオリーブ農園のことは何度となく書いておりますが、今日は写真で集約農業と呼ばれる最新の技術進歩が生んだ、ちょっと恐ろしいオリーブ農園をご紹介します。
次の写真は、オリーブの苗がどんな風に植えられているかのものです。
このような集約式栽培は、人件費削減が第一の目標ですから、収穫もトラクターのような特別な車が実施します。そのためにトラクターが入るだけのスペースが木と木の間に設けられますが、オリーブ自体は垣根のような扱いになります。もちろん、植えられる品種は、人気品種になることが多く、5年くらいで実を生産できるよう品種改良が進んだものです。よく見るのはアルベキーナ種やピクアル種。
まるで製造工場と同じ考え方でオリーブ農園も設計されているので、新鮮なオイルが短時間に絞ることができるので、ある程度良質のオイルができるということはわかりますが、この土地のためにそれがよいかどうかは疑問。たくさんの?マークが頭に浮かぶ農園形態ですが、現実に非常に増えています。大企業の投資が多いようです。
どうしてこんなに機械かされてしまうのか。古代からのオリーブ栽培にロマンを感じる私のようなものには、恐ろしいとしか思えない風景なのですが、現実に社会の状況を見れば、ハードなオリーブ収穫を実践するスペイン人は日に日に減少。人件費は上昇する一方だったので、このような農園システムが開発されたのですが、ここ数年の不景気の影響で、オリーブやブドウの収穫に参加するスペイン人は、また増えてきているようです。
おまけにこのように土地に見るからにも無理を与える農業は、一時的に進歩としてみられていましたが、最近は逆に昔からの手間と膨大な時間がかかり人件費もかかる栽培法がベターと理解されています。本当に一時的な進歩というのは危ないものです。
この栽培方法は砂漠にまで広がっています。今まで何も栽培出来なかった地域が地下水などを利用してオリーブ農園に変身しているのですが、私が思うにこのような栽培方法の農園は、一時期注目されても後からもろもろの問題があり、一種のブームになりやすいのが心配です。すでにこのような栽培法を実施している農園が、スペインではかなり売りに出ています。どこでも誰でもできることがいいようで、やはり無理があるということなのでしょうか。
最新のオリーブ農園事情でした。
chiho