日本でオリーブオイルもかなり当たり前の食材となりましたが、日本に来てオリーブオイルをアピールしている料理を食べて思うことは、オイルの質の中途半端な事。そしてなにより最大の問題はオイルの量の使い方を把握していないところ。
スペインにいてもオイルの質や量については、気になるところがたくさんあるのですが、日本は基本的に美味しい料理が簡単に食べられるので、オイルの質と量さえもう少し学べば本当に料理が美味しくなるのにと思います。
今年東京で行ったある一軒を様子をご紹介します。
有名なシェフがデザインしたメニューで、店内も理想的なライティング。カトラリーも食器もスタッフも言うことなし。可愛い青年がオープンキッチンで料理を作ってくれるのですが、カウンターに座れば話もできるリラックスしたムードがとても気に入りました。
料理の出し方も洗練されていて楽しませてくれるものでした。食材もどれもフレッシュでよかったのですが、見た目と味のバランスが悪いのです。こんな綺麗にできているのに、塩味も足りず、なによりも修正が必要だったのは、オイルの量。塩加減を気にして出したとしても、オイルの量をもう少し増やし、香り高い品質のものにすれば、それだけで美味しくなること間違いなしの料理でした。
使われていた塩もフロールデサル。ここまでこだわるのであれば、もう少し味のチェックをすればすぐによくなるのに...オイルは私も試してみたかったオーストラリアの日本料理のためにデザインされたというオリーブオイル。こういうキャッチフレーズで販売されているオイルは、日本料理に合わせてすごく淡泊なものであることはすぐに想像できるのですが、日本料理はどんな料理よりも微妙な食材の特徴を重視するもの。オイルの微妙の香りが楽しめないことはダメージだと私は思います。
この料理のこのままの状態に、コアやビスパード、もしくは最新のスパイシーなウルゼをかけたら、絶品になるなぁ~と思ったお料理でした。
日本滞在中は、誰でも簡単にできるオイルの使い方指導に力を入れたいと思います。
chiho