絞ったばかりのグリーンなオイルのお話です。
通常オリーブオイルは絞った後、デカンターというタンクの中でデカンテーションという工程を施します。これはオイルに含まれた澱をタンクの下に沈殿させ、よりピュアなオイルを作るための重要で手間のかかる工程ですが、このようにデカンテーションされたオイルはよりマイルドで上品のものになります。
こういったデカンテーション工程を全くせず、ジュースのような状態のオリーブオイルを即ボトル詰めして販売する、最近グルメの間で注目されているグリーンなオイルも存在します。但し、このようなグリーンなオイルは、グルーンの実を絞って作られるため生産量が少なく、1年のうち2,3週間の間しか生産することも出来ません。昔は生産者でなければ知れない貴重品だったはずです。
パワジオ倶楽部では、2009年度からこの一番搾りの高級オリーブオイルを生産している会社と契約。クリスマスくらいには、皆様にこの素晴らしいフレッシュ感と、オイルとは違うまるでソースのような食感のオイルをお届けする予定です。私は早速10月のはじめにこのオイルの搾りたてのものを試飲させていただきました。オイルよりもずっとフレッシュなグリーンの香りと味、そして独特の食感の虜になりました。普通のオリーブオイルとは違う使い方ができるはずです。
オイルにはこのように季節が生むオイルの種類の違い、オリーブの木の種類の違いが生む個性的な香り、設備の違いが生む酸度の違いなど、本当に詳しく調べてゆくと違いがあります。
この一番搾りのオイルは最高級のクオリティー。勿論、酸度は0.1度これ以上低くできません。
今回ご紹介したオイルの興味深いもうひとつの特徴は、使われているオリーブの種類がその香りの良さから、通常漬物用に好まれて使われること。多分、テーブルオリーブとして漬物で食べるオリーブの中でも一番美味しい『マンサニーリャ・カサレーニャ』というタイプです。マンサニーリャとはスペイン語で、まるでリンゴのように実をつけるので、こういう名がついていますが、本当にコロコロとした可愛い実りで、農園の様子にも感動しました。
chiho