スペインと同じように今年はポルトガルも不作。シングルエステートオイルで人気のカームもオリーブも2年続きの水不足で、どうしょうもありませんでした。オーナーも1997年以降こんな小量の生産量は見たことがないそうで、いつもならフル回転しているはずの圧搾所も午後にならないと実が集まらず稼働しませんでした。
まずは既にデカンテーション済のオイルをタンクから出してもらいました。いつもカームのオイルはスパイシーでフルーティーなのですが、今年はフルーティーの具合が全く違い楽しいオイルというよりシリアスなオイルが出来上がっていました。但しこの印象はこのタンクだけのもので、優秀なカタドールがこれから全ての完成したオイルをテイスティングして素晴らしいブレンドを作ってくれるはずです。どんなものが完成するのでしょうか??
こんなトラクターがオリーブを運んで来ていました。かなり絵になるおじさん。オリーブや葡萄を収穫している労働者はなぜか絵になる人が多いのです。
12月のオリーブなので黒く熟したものがほとんどでした。もちろん、農園の場所によってはまだまだグリーンの実があるので、タイミングによってはグリーンの実が多いカゴもありましたが、今年は特にブラックオリーブの香りを楽しませてもらいました。
こんな風にその日その日のオリーブの状態を話ながら作業が続きます。
圧搾所の香りの良さを伝えられないのが実に残念なのですが、独特の果物の香りが充満しています。オリーブ独特の香りにりんごのような酸味と甘さがほのかに感じられます。
こちらがブラックオリーブから絞ったオリーブオイル。
落ち着いた味。ピリピリ感も勿論ありましたが、アーモンドのような香りのオイルでした。
カームのオイルはこのまま当分デカンテーションが続きます。完成は多分来年の2月くらい。どんなものが届くのか今年もワクワクです。
chiho