イベリア半島では3年に及ぶ異常気象、特に干ばつによる被害が多く、
世界一のアンダルシアでも生産量が30%ほどダウン。
3年連続で価格上昇を余儀なくされている状態です。
オリーブオイルの輸入をはじめた頃には想像もできなかった事ばかりが連続で起こり、
ここ3年はコロナも含み悩みが次から次へと発生。今年もそれが続いています。
当初スペインのアーリーハーベストをお届けするつもりだったのですが、
スペインは昨年よりも今年被害が多く、最終的に伝統栽培をしている
ポルトガルのカーム社に依頼し、とにかく特別に初日のオイルを搾油していただきました。
アーリーハーベストは早期収穫の搾りたてジュースのようなオリーブで、
搾油スピードの速さが勝負。機械化が進んでいる農園にお願いして、
一刻も早く日本に届けるようにしています。
今年は様々な理由から伝統栽培という極めて困難な農業を営むポルトガルへ依頼。
足場も悪く果実の成熟度のコントロールも難しい伝統栽培農園で、
一気に収穫して搾油することはさぞ大変だったと想像しています。
壊滅的な昨年の最悪の気候コンディションの後、
今年は多少のリカバリーをしたカーム農園の味わいは、
思いのほか優しく上質なオイルを生んでくれました。
機械を利用すればあっという間に収穫できるところも、
伝統栽培のカームのような地形の段々畑の中では、
作業だけでも1日しっかりと時間がかかりますし人力に頼るしかありません。
長年毎年違う天候の中で出来るオリーブオイルを味わっていると、
伝統栽培でしか出せない味わいに気づいてきます。
雨の少ない地域で地中深く伸びている根は、水源を探して着実に伸びていきます。
灌漑システムで人間が計算して実施する水の補給とは全く違うのです。
カームのオリーブオイルは、オリーブの木が精一杯頑張って作りだしているオイルです。
誰も真似のできない一滴を毎年どんな過酷な天候の中でも提供してくれますが、
それは自然の力とそれを守っている農園の人々の努力の賜物。
この古代からの生産法がこれからもずっと守られていくように、
パワジオ倶楽部は応援していきたいと思っています。
大きな値上がりは最低限抑えておりますが、
どうしても仕方がない範囲のものです。
写真のような厳しい栽培条件を見ていただくと、
きっとご理解いただけると思っています。
chiho