慢性的に日本で紹介できる価値ある食文化をいつも探しておりますが、
そう簡単に素晴らしいものには巡り会えません。
あったとしても全てか輸出できるわけではないので、その辺でいつも葛藤しておりますが、
今度感動的なヴィネガーはご紹介できそうです。
何よりもまずは作り手の顔やバックグラウンドを見てから商談をするようにしているので、
1000キロの道のりは長かったのですが、ヴィネガー職人ファミリーを訪問して参りました。
100年以上の歴史を持つ会社で、元々はワインやリキュールの販売もしていたそうですが、
1940年代からはヴィネガーだけにこだわりヴィネガー専門店として今日まで活動を続けています。
ワインメーカーは無数とありますが、ヴィネガーはワインの副産物のような感じで、
ここまでこだわりを持って製造しているところはほとんどありません。
ここではスペインを代表する赤ワイン、白ワインの中から
カベルネソーヴィニヨンワインとシャルドネという品種を選んで酸っぱい質の良いヴィネガーを作っています。
また、マルティーニと言えばほとんどの人がイタリアのお酒を想像すると思うのですが、
実はマルティーニはベルモットと呼ばれる古代からあるハーブやスパイスを入れたワインの一種なのです。
それを原料にしたセミスイートのヴィネガーも作っています。
マスカットを原料とする甘いデザートワインもヴィネガーに変身させており、
とにかく色々なワインがその魅力を残しながらヴィネガーに変身しているのです。
そうそう日本でもカバというカタルーニャ特産のスパークリングワインは人気ですが、
カバもヴィネガーになってます。
まだまだあるのですが、このような何種類ものヴィネガーを作っているメーカーの人達は、
やはり素晴らしい人間味のあるファミリーでした。
写真の男性が現オーナー社長。彼が地元の大学と協力しながら、いろいろなイノベーションを会社にもたらし、
後継ぎの娘さんは会社のマーケッティングを担当し、女性の感性でスタイリッシュな
ヴィネガーワールドを作り上げています。
ずっとパワジオ倶楽部のオリーブオイルに組み合わせるための、
もっと幅広い香りを楽しめるヴィネガーを探していたのですが、
なかなか満足するものが現在販売しているソレラ・ヴィネガー以外にはなく困っていたので、
今回の出会いは本当に心から嬉しいものでした。
皆様の食卓もこれからもっと楽しいものになると確信しておりますので、
どうぞこのヴィネガーの到着を期待していてください。
chiho