しばらくポルトガルのオリーブオイルについてのリポートをしておりませんでした。申し訳ありません。どうしてもお伝えしたいことが沢山あり、ついつい遅くなってしまいました。
キンタ・ド・ビスパードもキンタ・ド・コアも優秀なシングルエステートオイル(単一農園オイル)ですが、その中でも特別な農園キンタ・ダ・ウルゼについて今日はご紹介します。
ロボレド・マデイラ家のオリーブオイルの美味さは、やはりそのオリーブ栽培の管理の良さから来ているといつ訪れても思います。どの農園を見ても見事としか言いようのないオリーブの実が実っています。かなりの数のオリーブ農園を訪れましたが、実の管理の良さはこのファミリーが別格です。
オリーブオイル圧搾工程のどんな場面で実のチェックをしても、そのコンディションのよさが確認できます。ピカピカに輝くオリーブの実は美味しそうな宝石のようです。
収穫はこんな風に昔ながらの手法。皆さん、歌を唄いながら仕事をしていました。どんな国の人がやっても歌を唄っているとパワーアップできるようです。
ロボレド・マデイラ家の搾油工房で興味深い事がひとつあります。最近、写真のようなストーンミルを使い続けているメーカーは非常に少ないのですが、ここではあまりにもオリーブの実にパワーがある(強い)ので、少しストーンミルを使って練り、ペーストを酸化させる方がオイルが美味しくなる時があるそうです。かなりゆっくりとミルは動くのですが、ゴロンゴロンと大きな御影石が音をたてて動く様子は圧巻です。ペーストもグリーンや紫の素晴らしい色を見せてくれますが、酸化が早いのですぐに色はくすんでしまいます。
こんなに手間をかけて作るのですから、ロボレド・マデイラ家のオイルが美味しいのも当然ですね。
こんな風に遠くから見てもウルゼ農園は綺麗でした。こんな理想的な環境で生まれるキンタ・ダ・ウルゼ、着実にファンが増えています。とてもトレンディなほろ苦さを強調した風味を持つこのオイルは、標高400mという極端な気温の差があるドウロ上流で生まれます。大地の力をしっかりと感じることのできるオリーブオイルです。
限定販売のキンタ・ダ・ウルゼは、500ml1本3400円で発売しております。今年のクリスマスプレゼントやお歳暮に最もお薦めする一品です。
そして、こんな素晴らしい農園を作り上げたオーナーのセルソ・ロボレド・マデイラ氏。写真にも人柄が現れていますが、実際はもっと素敵な方です。何十年もかけてこの農園を有機栽培のトップレベルの農園に育んだ張本人。自然と跡取り息子のフィリペも農園を大切にする理由が分かります。
chiho