スペイン産ドングリ豚の生ハムの美味しさは、お刺身の最高級のトロをベストコンディションで食べた時の感動と似ています。豚の肉が口の中でとろけるように美味しいのです。生の刺身と同じように捌いたらすぐに食べないと、その美味しさは逃げてしまうので、実際現地まで足を運ばないと最高級のものに出会うのは難しい事だと思います。
日本で一番入手しやすい生ハムは国産のもの、またはイタリア産のパルマの生ハムでしょうか。かなり昔よりも美味しいものが流通していますが、スペインの味に慣れていると満足するものはあまり期待できません。
先日ポルトガルのオイルメーカーを尋ねた時、はじめてポルトガル北部の生ハムが登場しました。今まではスペイン人にポルトガル北部のハム”プレスント”は出せないというようなニュアンスで話をしていたのですが、今回は『私たちのオイルをかければ美味しくなる』と言って、テーブルにハムが並びました。
スペインでもよくすることなのですが、もし普通のハモン・セラーノ(白豚の普通の生ハム)を使う場合、数滴上質のエクストラ・ヴァージンオイルをかけてあげると、味がとてもマイルドになり、豚のいやな香りも解消できるのです。
写真のように、生ハムを一枚一枚お皿に並べ、ペコリーノチーズまたはパルメザンチーズなど香りのあるチーズをかけ、最後に一振りキンタ・ド・コアのようなフルーティなオイルをかけてあげると、上品な味になり生ハムがとても美味しくなります。
簡単でリーズナブルな大人気メニューになると思うので、是非一度お試しを。
chiho