あっという間に2月も後半に入り、ミモザやアーモンドが開花。春が近いなぁと実感できる小春日和がスペインでは続いております。また寒さが戻ってくること間違いなしなのですが、このしばらくの温かさを誰もが外へ出て楽しんでいます。
1月にパワジオ倶楽部に到着したオリーブオイル、たくさんのお客様に楽しんでいただいております。今日はどんなファミリーがこのオイルを作っているのか、もう少し説明させていただきます。
ポルトガルで最も優れたオリーブオイルを生産するDOPトラソスモンテス地方。ポートワインの産地として世界的に有名なドウロ川上流に、17世紀中頃からロボレド・マデイラ家はオリーブ生産農園を営んでいます。代々医師の家系を受け継ぐ彼ら、地域の人々の健康管理と地場産業の発展のために、オリーブ農園を大切にしてきたといいます。
ファミリーの男性メンバーが全員ワインとオリーブオイル作りに携わり、それぞれが自分の役割に一生懸命のようでしたが、特におだやかな父親セルソさんの存在がこのファミリーには大きいように感じました。ヨーロッパの伝統ある家系の人々は、地域の伝統文化を重視して来たものですが、グローバル化が進む中、そういう地域保存のシステムが破壊されてしまう傾向にあります。ことにオリーブ栽培などは大企業が大農園にしてしまうことが非常に頻繁にあり、昔からの栽培システムは破壊されているのが現状です。
そんな理由もあり、このロボレド・マデイラ家が昔ながらの小規模農園をグローバル化の風に負けずに続行していることは、私にとっては大変な魅力でした。実際ファミリーと数日過ごし、彼らのコメントや生活の仕方を知ってみると、ますますこのオイルの良さや魅力の虜になりました。オリーブの木にも土地にも無理をし要らない自然栽培を重視し、この土地しか産めない独特の風味のあるオイルにこだわり続けるには、大変な努力と大勢の人々の労働が必要です。
ロボレド・マデイラ家のオリーブオイルは、そんな地域の何百年も前からの素晴らしい香りが保たれており、地球にやさしい栽培法から生み出されたオイルです。そんな農業を守ろうとしている人々がこのファミリーです。
Chiho